★★山岡瑞雪作品集★★
希求の果て』 文芸社より2000年発行
『破滅の足音』理想書店より電子本2005年9月発行
『雲のかなたに』理想書店より電子本2006年2月発行
『ティンパニは鳴り止まない』 マチともの語り掲載

2007年05月07日

夢の手枕

私はクラシックが大好き。

夜、就寝するのに、枕元には必ずCDラジカセを置き、静かなバイオリンの音を聴く。

1,2曲聴いただけで眠りに入ってしまう日もあれば、巻き戻して何度も繰り返し聴く日もある。

ある日、そのCDラジカセが壊れてしまった。

私は焦った。嫌だ。困る。音楽が聴けなきゃ眠れない。朝、目覚めてのNHKのFMも聴けない。

私は、CDラジカセを抱えて、何とか修理しようと分解に取り掛かった。まず、上面を取り外す。

これは、カセットの録音ボタン。次に再生ボタン。と、次々に取り外していく。

その下に、なぜかフロッピーみたいなものが何枚か敷き詰めてある。何だ、これは? 戸惑いながら分解を進めていく。

そのうち、何が何やら分からなくなった。ああ、どうにもならない。どうしたらいいんだろう?

知らない女の人がそばに来て、「治りそう?」と心配そうに聞く。

「うーん、分からなくなっちゃった……」

もう、どうしようもないので元に戻すことにした。
あれー、この一番右のボタンは何だったっけ。えーと、えーと。

賢明に思い出そうとするが、思い出せない。

何だったかなあー。女の人が憐れむような顔つきで見つめている。

焦る。えーと、えーと。

女の人が言う。「あら、いい音楽ねえ。モーツァルトだっけ」

えっ、ああほんとだ。毎朝聴く私の大好きなNHKの番組だ。えー。ということはCDラジカセ壊れてないんだ。

なーんだ、今までのは夢?

小鳥のさえずりも聞こえてくる、いつもの朝。

変な女の人の姿も消えて、寝床の中でほっと安堵、変わらないいつもの一日が始まった。
posted by 瑞雪 at 11:06| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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